資金が十分でない
にもかかわらず、
開業を決意した理由
出遅れゆえの猛練習
卒業後プログラミングの仕事に就いていたため、美容師になったのは24歳の時。
一般的には美容の専門学校を卒業してからの19歳。
遅れを取り戻すために寝る間を惜しみ技術の習得を重ねました。努力の甲斐あって4年後の28歳の時には店舗を任されるマネージャーへと昇格することができました。
それからもカリスマと呼ばれる美容師の技術を学び続け、これ以上の技術を提供できる美容師は、自分以外に“いない”!と、天狗になっていました。
年々衰えていくお客様の髪
パーマやカラーの施術を終えるたびに満面の笑みで喜んでくれるお客様。
でも心の中では、常に引っかかることがありました。
数か月前、1年前の髪質は、今よりずっと良かったことを感覚的に覚えていたからです。
一体何が原因なのか?
考えついたあらゆる方法を試し続けましたが、お客様の髪質は年々衰えていきました。
それでも美容師が使用する髪をキレイに見せかけることができるコーティング剤は、衰えた髪をごまかすには十分すぎる威力がありましたので、お客様は髪が衰えたことには、お気づきになっていませんでした。
肌と髪はほぼ同じ
あるお客様に対し、当時働いていたサロンで人気のあったシャンプーとトリートメントをスタッフが紹介した時のことです。
<スタッフ>
「肌にも優しい当店イチオシの商品です。ぜひ使ってみてください!」
<お客様>
「そのシャンプーで「顔」洗える?」
「そのトリートメントで「肌」潤う?」
今まで考えてもみなかった問いかけでした。
そのお客様が言うには、肌と髪はほぼ同じで、肌にダメージを与えるものは、
頭皮や髪にも同様のダメージを与える、ということでした。
実際、肌に優しいと謳って商品を紹介したスタッフの「手」は、ひどく荒れた状態で、
皮膚科へ通い続けていました。
<お客様>
「その手荒れさ~、クリームとか塗っても良くならないと思うよ」
「原因は、今紹介してくれた商品だから」
「特にトリートメントね」
「大丈夫な人もいるんだけど、キミの手にはヤバすぎるやつがテンコ盛りだから。」
「今度『いいやつ』あげるから、それ試してみて」
数日後、そのお客様から『いいやつ』が届き、
半信半疑でそのスタッフには、その『いいやつ』のみで施術をさせました。
驚いたことに、2週間もたたないうちにスタッフの手荒れが改善していきました。
長い間、全く改善しなかったのになぜ?
あの『いいやつ』は何なんですか?
後日ご来店の際にお聞きしたところ、
<お客様>
「ただのスキンケア商品だよ」
「洗顔料を髪にも使えるようにアレンジしてシャンプーにした」
「それと顔用の保湿クリームも髪に使えるようアレンジを加えてトリートメントにした」
ただそれだけだよ。
肌の炎症を抑える特別の成分などが入っているのかと質問したところ、
<お客様>
「入ってないよ。そんなの配合しても、
どうせ洗い流しちゃうんだから“無意味”でしょ」
「人には勝手に傷なんかを治してくれる治癒力があるから」
「ほら、ほっといても擦り傷なんて知らぬ間に治るし」
「だからさ、余計なことしなければ勝手に治る」
「スタッフさんの手荒れが治らなかったのは、
彼にとっては余計なことする成分が、
おススメしてもらった商品にはテンコ盛りだったからだよ」
まさに目から鱗の瞬間でした。
自分たち美容師が髪に良いと信じていた商品は、
肌にとっては余計なものだったのです。
「余計なもの」。
それは美容師が髪の美しい仕上げのためにマストとして多用している、コーティング成分。
殺菌作用のある成分でもあるため、肌には刺激がある成分ですが、
一般のシャンプーやトリートメントに比べ、
サロン仕様と呼ばれる商品には、大量に配合される傾向にあります。
(サロン帰りの仕上がり!この演出には欠かせませんから)
それ以来、必死になって肌科学を学びました。
そして、お客様の髪質が年々衰えてしまった原因に違いないと思える、
ある事実を知ることになりました。
肌ダメージは髪を直撃する
2012年世界で初めて解明された肌のダメージと髪のトラブルを結びつける論文の発表。
新たに解明されたメカニズムとは、
肌に細菌が侵入したり、
何らかのダメージが発生すると
①肌の奥底まで伸びている「毛包」と呼ばれる部分(毛の根もとの部分)から「助けて~SOS信号」が発信される。
②敵を退治するために、「免疫部隊」が発信源である「毛包」めがけて大集合する。
③大集合した免疫部隊は「毛包」を通り道として肌の上部まで移動し敵と戦う
肌の一番外側にある表皮という部分には血管がないため、
どうやって免疫部隊が表皮までやってくるのか謎でしたが、そのメカニズムが解明されたのです。
また円形脱毛症が、なぜ「円」形なのかも解明できました。
1本の毛包(毛の根もと)だけが、何らかの理由で猛烈にSOS信号を発信すると、
その1本の毛包を中心に、そこをめがけて免疫部隊が集結する。
中心めがけて集まれば「円」形になる、ということです。
本来、免疫は敵をやっつけてくれる正義の味方ですが、
やりすぎると自己免疫の暴走によって、自身にダメージを与えてしまうことがあります。
つまり肌にダメージが起きると、毛の根もとめがけて免疫部隊が集合するため、
これから成長する未来の「髪」に悪影響を与えてしまうのです。
これだ!
これが原因でお客様の髪質は衰えていったんだ。
長年の疑問が解けた瞬間でありました。
美容師が使用するシャンプー・トリートメント・ブロー材・パーマ剤・カラー剤、
どれをとっても「肌」には悪影響があるものばかりです。
こんなものを悪気なくお客様の頭に使い続けていたなんて…
天狗になっていた自分が恥ずかしくて仕方がありませんでした。
このままではいけない。
これまで美容師としてやってきた20年以上の経験や知識を、全て捨てる気持ちでやり直さなければ…
と覚悟を決めました。
THEORYで使うのは
肌にも使えるヘアケア剤
いざ起業! 2020年12月。
新型コロナウイルスが猛威を振るう真っただ中でしたが、迷いはありませんでした。
目指すのは「10年先のキレイを守る」
それが可能となるサービス・技術の提供です。
当店では、髪の施術に使う全ての材料は「肌にも使えるスキンケア仕様」です。
そんな特殊なものを手に入れることができたのは、あの「いいやつ」を作ってくれた彼のおかげです。
後から知ったことですが、実は彼、数々のスキンケア商品を世に送り出している「肌科学研究者」で、
著名な女優さん・芸能人にスキンケア商品を提供している人物でした。
このご縁に、そして出会いに感謝です。
肌科学の専門家の知恵と技術指導によって
当サロンHair Lounge THEORYは誕生しました。
まだまだ発展途上の知識・技術であり、ゴールではないことは十分理解しています。
でも、いままで皆様が体感したことのない、髪質・スタイリングをご実感いただけるステージには
到達しました。
ぜひ一度、当店Hair Lounge THEORYをお試しいただきたくお願い申し上げます。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
ABOUT ME
代表 紹介
長谷川 淳
ヘアラウンジセオリー 代表
素髪研究所 テクニカルアドバイザー
美容師歴25年を通じ、延べ55000人のヘアを担当。
その経験と知識で素髪研究所の技術アドバイザーとして全国の美容室への指導を行っている。